こんばんは、うみがめ(@aoumigamemizu)です!
うみがめが大好きな国産クワガタのヤエヤママルバネクワガタ(以下:ヤエマル)の飼育についてです。
うみがめが学生の時は、石垣島の屋良部岳にシーズンになると良く採集に行っていました。
山の原生林の中を方位磁石を頼りに突き進んで行き、スダシイの大木を回る採集は本当に楽しかったです!
残念ながら、石垣島での採集は「石垣市自然環境保全条例」で出来なくなってしまいました。
西表島にも生息していますが、石垣島に比べ採集が難しい為、今は採集から足が遠のいています。
(挑戦したことはありますが、西表島は本当に見つからず、最後の採集時は3日やって3頭しか見つけられませんでした。しかも大歯は見つけられませんでした(泣))
学生時代の思い出から、飼育してる個体は石垣島産に拘って飼育をしています。
それでは、種親の入手からです。
・種親の入手(出来るなら幼虫からがおすすめです!)
ヤエヤマに関しては、成虫の格好良さが見られず面白くないかもしれませんが、3令幼虫の入手からがおすすめです!
というのも、幼虫の食べたマットを産卵マットに混ぜ込むと、非常に産卵に有効だと感じているからです。
3令幼虫で入手すると、羽化はその年か次の年の秋頃になり、成虫を拝むのは遅くなりますが、その後の産卵がスムーズに行きますので、我慢して下さい!
次に発生初期に採集された野外個体です。
(現在だと西表島産だけですね。)
発生初期に採集された木取りの個体は、野外活動を開始しているので、十分成熟しています。
なので、直ぐに産卵セットに入れて産卵させることが出来ます。
発生後期ですと♀がある程度産卵している事が予想され、また短命な種なので産卵せれる期間も短くなってしまいます。
野外個体は、見かけたら早めの入手が良いと思います!
最後に累代飼育個体です。
繭の中で羽化するので、はっきりとした羽化日は分からないかもしれませんが、大体の羽化時期が分かっている個体にして下さい。
又、オークションで個人の方から入手するのであれば、幼虫の食べたマットを頂けるか交渉してみるのも良いかもしれません。
・ペアリング
十分に成熟している個体であれば、ヤエマルは交尾意欲が高い種なので、ハンドペアリングで直ぐに交尾をします。
又、直ぐに交尾しない場合でもうみがめは幼虫の食べたマットの上に置くと交尾を開始した事がありました。
ヤエマルは独特の匂いがありますので、その匂いで交尾が誘発されたのかもしれません。
確かでは無いので、おまじない程度に思っておいて下さい。
それでもダメな時は時間を置いて再度ペアリングをしてみて下さい。
・産卵セット
産卵セットについてです。
ヤエマルは、マット産みの種なので、マットが全てです!
うみがめは、産卵セットを組もうと思っている約1カ月前から産卵マットの準備を始めます。
・産卵マットの仕込み
準備するマットは、赤枯れ系のマットとカブト用マット(朽木から作成されているもの)です。
うみがめは、赤枯れ系のマットはH.R.N dorcusさんの「L-3」をカブト用マットはグローバル大阪さんの「ビートルマット」を使用しています。
産卵マットは、微粒子の方が望ましいと思っているので、ビートルマットを篩掛けします。
篩のメッシュは、2㎜で行っています。
又、この時の篩は大きい方が絶対に良いです!
篩が小さいと何回もマットを入れて、篩いに掛けてを繰り返さなければならず、作業量が増えてしまいます。
(うみがめは、直径約35㎝の篩を使用しています。)
産卵マットは、L-3:篩を掛けたビートルマットを7.5:3で混ぜ合わせて、ビニール袋に入れます。
ビニール袋には、腐敗しないようにマチ針で穴を空けます。
その後、常温で1カ月程馴染ませます。
最後に使用する前に幼虫の食べたマットを混ぜ合わせて、産卵セットを組みます。
・産卵セット
産卵セットに使用する容器は、うみがめはコバエシャッターの中を使用しています。
コバエシャッターの中に、仕込んだマットを軽く押さえながら8分目まで入れます。
最後に交尾をさせた♀を投入して、後は温度を25℃前後で保管するだけです。
ヤエマルは野外では餌を取らないので、うみがめはゼリーを入れてはいません。
後は、自分が仕込んだマットを信じて翌年の3月位まで、産卵された幼虫がある程度大きくなるまで保管します。
(たまに失敗して産卵されていない時は、本当に凹みます。)
・幼虫飼育
ヤエマルは幼虫期間は約2年と他のクワガタに比べ幼虫期間が長く、幼虫の餌に仕込みが必要なので、少し根気が必要です。
只、うみがめはきちんと餌交換をしてあげれば、ヤエマルの大歯を育てるのは難しく無いと思っています!
幼虫期間が長いですが、格好良い大歯を育てる為にも、きちんと餌交換を忘れずにしてあげましょう!
それでは、産卵セットの割り出しから幼虫飼育の餌交換を順番に説明したいと思います。
1.産卵セットから割り出し
10月・11月に産卵セットに♀を投入してから、ある程度幼虫が大きくなる翌年3月位に産卵セットを割り出します。
最初に割り出した時は幼虫も小さいので200㏄のプリンカップに入れます。
この時使用するマットは、産卵セットで使用したマットと同様にL-3:篩に掛けたビートルマットを7.5:3で混ぜ合わせて1カ月馴染ませたマットを使用します。
なので、割り出す1カ月前の2月位から幼虫飼育のマットを仕込んでいます。
2.プリンカップから2000㏄ブロー容器への移し替え
200㏄のプリンカップで約1カ月保管して、今度は2000㏄のブロー容器に移し替えます。
これ以降のマットは、L-3:ビートルマットを2.5:10で混ぜ合わせて、1カ月馴染ませたものを使用します。
(うみがめは使用するマットの量が増えて来ているので、ここからマットの篩掛けをしていません。)
この時には幼虫は少なくとも2令にはなっていますので、栄養価を上げる為、ビートルマットの量を増やします。
移し替え方ですが、
1. 2000㏄のブロー容器の底に準備したマットを薄くクッションとして敷きます。
2. 200㏄のプリンカップをひっくり返し全てマットを取り出します。
3. マットを割って幼虫が生きているか確認します。
(マットを割るのは、幼虫には良くないと思います。うみがめは、この後幼虫を確認するのが半年後で、その間容器だけを保管してる状況にならないように確認しています。本当に大型を目指していくなら、割らずに入れた方が良いと思います。)
4. 幼虫を挟まないように綺麗に割ったマットを戻して、2000㏄ブロー容器の中に入れます。
5. 最後に2000㏄ブロー容器の半分位になるまでマットを軽く押さえながら入れて完了です。
3.ブロー容器へ半分マット追加
大体ブロー容器に移し替えて2カ月後にブロー容器へマットを追加して、容器一杯にします。
その後は、3・4カ月毎にマットを全交換します。
4.全交換の仕方~羽化
1.容器から幼虫を掘り出します。
2.幼虫を掘り出したら、新しい容器の底に幼虫が居た周辺のマットを窪みを付けて敷きます。
3.底の空いている場所に新しいマットを敷きます。
4.幼虫をそれまで居たマットの窪みに入れます。
5.新しいマットを幼虫を潰さないように軽く押しながら、詰めて行きます。
6.容器の一番上まで詰めて、交換完了です!
最後の交換を1年後の2月か3月に行い、繭作りへと備えます。
ここまで交換しましたら、後は羽化するまで保管です。
大体10月位には羽化が終わっているので、容器に入っている繭を割って状況を確認します。
ヤエマルの飼育はこの繭を割る時が一番楽しい作業だとうみがめは思っています(笑)
後は個別の容器に保管して、活発に活動を開始するまで保管します。
活動を開始したら、ペアリングさせて、累代飼育を続けて行きます!
・まとめ
ヤエマルはマルバネクワガタの中でも飼育が容易で、しかも大歯が抜群に格好良いです!
画像や紙面で2次元で見るのと、実物で見るのは全然印象が違うクワガタなので、是非大歯の実物を見て下さい!
他のクワガタと違い幼虫期間が約2年あり、幼虫飼育のマットにも手間が掛かりますがそんな事は本当に些細なことだと感じるはずです!
きっとヤエマルの飼育の魅力に憑りつかれるはずです(笑)
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そして気になる生体があったら、是非購入をお願いします!(笑)
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2018年~2020年の間幼虫飼育をしていた個体達の羽化結果です!
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こちらの記事は、うみがめが3齢幼虫から860ccプリンカップで飼育した記事です!
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